【連載講和】所長 内野和顕『風邪とは違うインフルエンザ』


『風邪とは違うインフルエンザ』

インフルエンザは、風邪とは違います。インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原体とする気道感染症ですが、「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」です。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。主に毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1〜3月頃に患者数が増加し、4〜5月にかけて減少していくパターンを示します。夏季に患者が発生し、インフルエンザウイルスが分離されることもあります。流行の程度とピークの時期はその年によって異なる。流行が周期的に現れてくるところからインフルエンザは、いまだ人類に残されている最大級の疫病です。
A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間の後に、症状として38℃以上の高熱を伴うことが多く、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが突然現れ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約一週間の経過で軽減するのが典型的なインフルエンザで、いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が強い。重篤になると肺炎などを合併して重症化する恐れがある危険な病気です。
とくに、高齢者や、年齢を問わず呼吸器、循環器、腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの代謝疾患、免疫機能が低下している患者では、原疾患の憎悪とともに、呼吸器に二次的な細菌感染症を起こしやすくなることが知られており、入院や死亡の危険が増加します。小児では中耳炎の合併、熱性痙攣や気管支喘息を誘発することもあります。
近年、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する急性脳症が増加することが明らかとなっており、毎年50〜200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、その約10〜30%が死亡しています。最近は外来、10分程度で迅速簡便に病原診断が可能なインフルエンザ抗原検出キットが、広く利用されています。「インフルエンザウイルス」に感染してから1〜3日の潜伏期間を経て発症する感染症です。ウイルスなので抗生物質は効果がありません。
しかしインフルエンザはワクチンにより予防することが可能な病気です。
感染の広がりが予想される前に予防接種を受け、免疫力を高めることで感染しにくくなり、もし感染して発症したとしても症状を軽くすることができます。