【連載講和】所長 内野和顕『ニコチン依存症』


『ニコチン依存症」という病気』

日本にタバコが伝わったのはコロンブスが新大陸から持ち帰った約100年後のことです。恐ろしいほどの速さで、はるか日本まで伝来したのです。それだけタバコの薬物依存性は強いのです。

今日の医学では喫煙は「ニコチン依存症」という病気だと明確に定義されています。喫煙は病気なのです。タバコを吸うと、血中に移行したニコチンは脳の受容体に結合しドーパミンを放出。脳は快感や報酬感で満たされます。血中のニコチン濃度が低下すると、ニコチン中毒となった脳は必死にニコチンを求め、タバコを吸いたいとの強い欲望にかられます。喫煙者が大雨の中、びしょ濡れになってタバコを買いにゆく光景は尋常ではありません。疑いもなく薬物(ニコチン)中毒状態を示しています。

喫煙の有害性は科学的に十分証明されています。タバコの煙に含まれるベンゼン、フェノール、シアン化水素はガソリンの成分、消毒殺虫剤の成分、殺鼠剤に含まれる有害物質です。その他にもタバコの煙には約4,000種類の有害化学物質、約60種類の発がん性物質が含まれています。

喫煙すると「がんになる危険性」が明らかに増大します。タバコを吸わない方の発がん危険性を1とした場合、タバコを吸う方が喉頭癌(のどのがん)になる危険性は吸わない方と比べて約35倍、肺がんは5倍、食道がん2.3倍、膵臓がん1.56倍にもなります。喫煙によって全てのがんの発症危険性が増大するのです。

さらに怖いのは喫煙が肺気腫を引き起こすことです。喫煙期間が長いと肺が変性し酸素の取り込み能力が低下し、息苦しさが生じます。 さらに悪化すると日常的に酸素ボンベが必要になって来ます。

今からでも決して遅くありません。ぜひ禁煙をおねがいします。