【連載講和】所長 内野和顕『糖尿病』


『糖尿病』

糖尿病の患者さんが増えています。厚生労働省の3年ごとの疾病調査によると2014年時点での日本の糖尿病の患者さん数は約316万人、その年間医療費は1兆2,196円にも達しています。

糖尿病はなぜ怖いのか? 糖尿病を放置すると私たちの身体は慢性的高血糖状態となります。慢性的高血糖に曝された全身のすべての動脈は著しい速度で劣化して行くのです。

全身の動脈の障害が進行すると、糖尿病性網膜症(眼底出血)、脳血管障害(脳卒中)、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、糖尿病性腎症(血液透析)、末梢動脈疾患(下肢の動脈の狭窄や閉塞)、糖尿病性神経障害(両足のしびれ、痛み、知覚低下、異常知覚)、歯周病などの糖尿病合併症が起きてきます。 現在、血液透析を始める患者さんのなんと約半数は糖尿病性腎症から慢性腎不全となり透析に至った方なのです。

糖尿病になりやすい因子として肥満と運動不足があげられます。

元々日本人は膵臓から分泌されるインスリンの絶対量が少ないので、肥満になると体重あたりのインスリン量が少なくなり、その上インスリンに対する細胞の感受性も低下するので糖尿病になりやすいのです。運動不足の場合もインスリン感受性は低下します。標準体重を維持し、適度な運動を行いましょう。

糖尿病は初期からしっかり治療・管理すれば、糖尿病の合併症はほぼ予防できますし、寿命も糖尿病のない方と変わらないのです。糖尿病治療薬も最近の10年で著しい進歩を遂げており、副作用の少ない良い薬が使えます。私たちは皆さんと力を合わせて糖尿病の治療を行ってまいります。