【連載講和】所長 内野和顕『高血圧と減塩』


『高血圧と減塩』

ヒトに必要な食塩の量は一日1~3gぐらいと考えられます。
もし食塩を過剰に摂取しなければ、ヒトは高血圧になりません。
アマゾン源流に住む先住民のヤノマミ族の人々がそのことを明確に教えてくれています。
ヤノマミの人々に高血圧という病気はありません。アマゾン奥地では食塩を入手できません。そのためヤノマミの人々は魚や小動物から、やっと一日1g程度の食塩量を確保しているのです。ところが、彼らが都会に住み都会の食事をしだすと高血圧になるのです。即ち、食塩摂取量が少ないことこそ、ヤノマミ族に高血圧がない理由なのです。
ヤノマミ族と暮らした探検家関野吉晴氏(私の同窓です)によれば、ヤノマミの人々は関野氏が炊飯したお米を「おいしい、おいしい」と全て食べてしまい、自分の分がなくなって困ったそうです。そのため、つぎの炊飯時にお米に食塩を加えて炊いたところ、ヤノマミの人々は1口食べて「まずい」と吐きだし、以後はご飯をねだることがなくなったそうです。 つまり、ヤノマミ族は極微量の食塩の食事に舌が慣れているため、少しの塩辛さでも不快になるのです。
皆様が食塩制限を始める時、「味が薄すぎる」と感じると思いますが、数か月すると薄い食塩濃度に必ず慣れてきます。
循環器系学会は健康のために食塩摂取量は一日6g未満に制限することを勧めています。
皆様もヤノマミ族ほどでないにしろ、食塩を制限して舌が薄味に慣れるようされては如何でしょうか?