【連載講和】所長 内野和顕『たかが風邪、されど風邪』


『たかが風邪、されど風邪』

 大気が乾燥し、気温が下がり、風邪をひきやすい季節です。風邪にかかったら無理をせず、十分に休養を取りましょう。風邪はこじらせなければ通常1週間程度で治ります。
 現在のところ「風邪」を根本から退治する薬は未だありません。その理由は風邪の約90%がウイルスで起こるからです。抗ウイルス薬の開発は難しく、現在使える抗ウイルス薬はインフルエンザ、HIV(エイズを起こすウイルス)、ウイルス性肝炎、ヘルペスだけです。抗生物質はウイルスに効果がありません。
 ウイルスの大きさは細菌の10分の1程度で、肉眼顕微鏡では見えず、電子顕微鏡でやっと観察できます。ウイルスは細菌とは全く別物であり、生き物の細胞に寄生することで増殖する半生物的構造体です。
 現在使われて「風邪治療薬」は風邪の症状を和らげる目的の薬であり、「風邪」を退治できません。 従って風邪薬を服用すれば必ず「風邪が早くなおる」ことはありません。風邪には安静が第一です。
しかし、喉が痛くて食事が取れない、鼻水がひどくて安眠できない時、「風邪薬」で症状を和らげれば、食事がとれ、安眠できることで身体の免疫機能が向上し風邪が治りやすくなるかもしれません。いずれにしろ風邪のウイルスを退治できるのは皆さんの身体の免疫機能だけなのをお忘れなく。
 「風邪」対策には予防が一番重要です。外出後の手洗い、うがいを励行ください。また首にマフラーやネックウオーマーをまいて喉の粘膜の温度が下がりすぎないようにすることも有効です。部屋は暖かくし、乾燥しすぎない様にしましょう。
なお、「風邪は万病のもと」と言われるように、「風邪」をきっかけに喘息、心不全など現在ある病気が悪化することもあります。また「風邪」と似た症状の、別の重い病気の始まりのこともあります。

気になるときはぜひご相談ください。