【連載講和】所長 内野和顕『腎臓の話 第二回』


『腎臓の話 第二回』

 採決検査で腎臓の機能が分かります。
腎臓の機能は採血検査で簡単に判ります。腎臓の機能を示す血液生化学検査の項目はクレアチニン、BUN(尿素窒素)ですが、クレアチニンが特に重要です。血液のクレアチニン濃度の基準値の上限値は男性で、1.10mg/dl程度、女性で0.80mg/dl程度です。クレアチニンは筋肉細胞にあるクレアチニンが代謝されるときに生成される物質で、腎臓の糸球体を一度通過すると完全に濾過されます。ですから血液中のクレアチニンの量は常にほぼ一定の値なのです。血液中のクレアチニン濃度の上昇は腎臓の濾過能力の低下を意味します。男性と女性で上限値が異なってくるのは身体の筋肉量が違うからです。
血清クレアチニン値を換算式に代入すると推定糸球体濾過量(e-GFR)が計算できます。糸球体濾過量とは糸球体で一分間に濾過される血液の量のことで、腎臓の機能を知るうえで極めて重要です。正常値は90ml/分以上です。90〜60ml/分は軽度低下、60〜45ml/分は中等度低下、45〜30ml/分は高度低下であり、15ml/分未満になると末期腎不全に分類されます。e-GFRの計算にはクレアチニンと共に年齢も代入する必要があります。腎臓は加齢とともに老化し機能が落ちてくるのが普通なので、計算式は年齢が高くなるにつれ悪い数字となるように作られているのです。なおシニアの方はe-GFRが60ml/分以上であれば全く心配される必要はありません。