【連載講和】所長 内野和顕『腎臓の話 第一回』


『腎臓の話 第一回』

腎臓とはどんな臓器でしょうか? 腎臓は血液から尿をつくり、血液バランスを維持するのに必須の臓器です。腎臓はソラマメに似た形をしており、私たちのお腹の奥深く、背中近くに左右に一個ずつ存在しています。腎臓は血液の濾過を24時間休みなく行なっています。心臓から1分間に約5リットル/分の血液が拍出されますが、その拍出された血液の約5%は腎臓に分配され、糸球体と呼ばれる装置で濾過されます。糸球体の数は片方の腎臓で約90万個あります。糸球体で濾過された液体を原尿と呼びます。原尿は近位尿細管、遠位尿細管、集合管と呼ばれる管を通り最終的に尿となります。糸球体では血液が濾過され、原尿が一日に約150リットルもつくられますが、ヒトの一日の実際の尿量は1.5リットルしか排出されません。ということは原尿のたった1%だけが実際に尿となるのです。残りの99%の原尿はどうなるのでしょうか?? 原尿の99%は尿細管で再吸収され血液に戻るのです。「なんと無駄なことをしているのだ!」と思う方も多いことでしょう。糸球体で濾過された原尿には身体に不要な老廃物だけでなく、生存に必要なアミノ酸、ブドウ糖、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、重炭酸イオンなどの成分も含まれています。血液中のこれらの成分のバランスが最適となるように尿細管は再吸収して血液のバランスを調整しているのです。血液中のカリウム濃度が一定に保たれているのも実は腎臓のおかげなのです。